電気自動車(EV)を選ぶうえで、多くの方が気にするのが「航続距離はどのくらい走れるのか」という点です。中でも、注目を集めているのがBYDのコンパクトEV「ドルフィン」。
本記事では、「BYDドルフィンの航続距離」と検索された方に向けて、スタンダードとロングレンジモデルの違いや、バッテリー容量と電費の関係性をはじめ、実際の走行性能について詳しくご紹介します。
たとえば「満タン」で何キロ走れるのか、理論上の数値と実走行での違いを整理しながら、季節や速度が与える影響も丁寧に解説。
さらに、高速道路での電費データや、充電時間の目安、運用時の注意点まで、初めてEVを検討する方にもわかりやすくお届けします。
また、ATTO3やSEALといった他のBYD車種と比べたときの優位性、コストパフォーマンスに優れる価格帯、補助金制度との相性など、購入判断に欠かせないポイントも網羅。中古車を選ぶ際の注意点や値引き交渉のヒントまで、実用目線で徹底的に掘り下げます。
次の見出しから、具体的な内容をひとつずつ確認していきましょう。
・BYDドルフィンのモデル別航続距離の違い
・バッテリー容量と電費の関係による走行性能
・実走行時に影響を与える季節や速度の要因
・他車種や価格との比較による購入判断のポイント
BYDドルフィンの航続距離の基本スペックと特徴

・航続距離はどのくらい走れる?
・ロングレンジモデルとベースモデルの違い
・バッテリー容量と電費の関係性
・他のBYD車種と比べたときの優位性
・「満タン」で何キロ?理論上の走行距離とは
・ドルフィンの価格帯とコストパフォーマンス
航続距離はどのくらい走れる?
BYDドルフィンは、電気自動車(EV)の中でも注目される理由のひとつに「一充電あたりの航続距離」があります。
具体的には、スタンダードモデルで約400km、ロングレンジモデルでは約476kmの走行が可能とされています。この数値はWLTCモードという国際的な走行試験基準に基づいたもので、日常的な使い方に近い環境下で測定されています。
ただし、これはあくまでカタログ上の数値であり、実際の走行環境や運転スタイル、気温などによって変動する点には注意が必要です。
例えば、冬季の走行ではバッテリーの性能が低下しやすく、エアコンやシートヒーターなどの電装品を多用することで消費電力が増えます。
結果として、同じ車両でも夏と冬では航続距離に50〜100km以上の差が生まれることも珍しくありません。さらに高速道路での連続走行や急な加速を繰り返す運転でも、電力消費が多くなる傾向にあります。
一方、通勤や買い物といった街乗り中心の使い方では、アクセル操作も比較的穏やかで、エネルギーの回生(減速時の充電)も効率的に働きやすいため、カタログ値に近い航続距離を維持しやすくなります。
日常使いにおいては、1回の充電で数日間走行できる安心感が得られるでしょう。
このように、航続距離は数字だけで判断するのではなく、自分の使い方と照らし合わせて考えることが大切です。自宅で充電できる環境がある方や、1日の走行距離が50〜100km未満であれば、スタンダードモデルでも十分に実用的といえます。
反対に、長距離の移動や高速道路の利用が多い場合は、余裕のあるロングレンジモデルの方が安心でしょう。
ロングレンジモデルとベースモデルの違い
BYDドルフィンには、「スタンダード(ベースモデル)」と「ロングレンジ」という2つのグレードが用意されています。見た目はほとんど同じですが、内部のスペックや装備にはいくつか明確な違いがあります。
中でも大きな違いとなるのが、バッテリー容量とモーター出力です。
スタンダードモデルは44.9kWhのバッテリーを搭載し、モーター出力は70kW(約95馬力)。これに対してロングレンジモデルは、より大容量の58.56kWhバッテリーと150kW(約204馬力)の高出力モーターを採用しています。
この差により、ロングレンジモデルは走行距離が伸びるだけでなく、加速性能や登坂力にも優れています。実際、街中の発進時や高速道路での追い越しなど、パワーが必要な場面では、ロングレンジの走りのスムーズさが際立ちます。
また、リアサスペンションの構造にも違いがあります。スタンダードが「トーションビーム式」であるのに対し、ロングレンジは「マルチリンク式」を採用しています。
マルチリンクはより高い走行安定性と乗り心地を実現しやすいため、長距離ドライブでの快適性にも影響を与える部分です。
さらにロングレンジモデルには、スマートフォンのワイヤレス充電機能やパノラミックガラスルーフなどの装備が追加されており、装備面でも充実しています。
その一方で、車両重量はロングレンジの方が約160kg重くなっているため、取り回しの軽快さという点ではスタンダードに一日の長があるかもしれません。
価格も大きな検討材料になります。スタンダードモデルが約300万円台前半なのに対し、ロングレンジは370万円前後。購入予算や使用スタイル、重視するポイントによって、どちらが自分に合っているかを見極めることが重要です。
バッテリー容量と電費の関係性
EVにおける「バッテリー容量」と「電費(でんぴ)」は、航続距離を決定づける2つの重要な要素です。バッテリー容量とは、車両がどれだけの電力を蓄えられるかを示す数値で、単位はキロワットアワー(kWh)です。
一方、電費は「1kWhの電力で何km走れるか」を表す効率の指標で、km/kWhで表現されます。
BYDドルフィンのスタンダードモデルは44.9kWh、ロングレンジモデルは58.56kWhのバッテリーをそれぞれ搭載しています。ここで注目すべきは、単純に容量が多ければ長く走れるというわけではない点です。
実際、電費の良し悪しによって、同じバッテリー容量でも走行できる距離には差が出ます。
スタンダードモデルの電費はWLTCモードで約8.91km/kWh、ロングレンジは約8.13km/kWhとされています。つまり、スタンダードの方が軽量で出力も控えめなため、電力消費が抑えられ効率的に走行できる設計になっています。
逆にロングレンジはモーター出力が高く車両重量も重いため、やや電費は劣るものの、容量の大きさでカバーしていると言えるでしょう。
このバランスをどう捉えるかは使い方次第です。例えば、毎日の走行距離が短いユーザーであれば、より電費の良いスタンダードで十分なことが多くなります。
一方、遠出や高速道路の使用が多い人には、多少の電費の差よりも、大容量バッテリーによる航続距離の安心感が魅力になります。
ただし、電費は天候や運転スタイルによっても大きく変動します。急な加速やエアコンの使用が続けば、効率は下がります。そのため、実際の走行ではカタログ値よりも低めになることを想定しておくと、より現実的な運用ができるでしょう。
他のBYD車種と比べたときの優位性

BYDドルフィンは、BYDが日本市場に投入している他のモデルと比べても、独自の優位性を持ったコンパクトEVです。特に、価格と性能のバランス、そして日本の道路事情に最適化された設計が魅力です。
同社のミドルサイズSUV「ATTO 3」は、バッテリー容量58.56kWhで航続距離は約470km、スポーツセダンの「SEAL」は最大700km以上のカタログスペックを誇るモデルもあります。しかし、どちらも車体サイズが大きく、車両価格も400〜500万円台と、やや上級向けの位置づけです。
一方、ドルフィンは全長4290mmという取り回しやすいサイズ感で、都市部の狭い道や機械式立体駐車場でも扱いやすい点が強み。さらに、ベースモデルは300万円台前半という手頃な価格でありながら、400kmの航続距離を確保しています。
このクラスでは数少ないリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(ブレードバッテリー)を採用しており、発火リスクが低く、長寿命という安全面のメリットも見逃せません。
また、ロングレンジモデルであれば、パフォーマンスや装備面でもATTO 3に肉薄する内容となっており、よりコンパクトで経済的な選択肢として有力です。
特に子育て世帯やセカンドカーとしての導入を検討する層には、価格・性能・サイズ感のトータルバランスに優れたモデルといえるでしょう。
さらに、走行性能や室内空間の快適性も、上級モデルに引けを取らない点が評価されています。ドライビングモードや回生ブレーキの調整機能も搭載されており、運転者の好みに応じたドライブ体験が可能です。
つまり、ドルフィンはBYDラインナップの中でも「扱いやすさ」と「コストパフォーマンス」を両立させた存在であり、はじめてのEVとしても安心して選べる一台となっています。
「満タン」で何キロ?理論上の走行距離とは
BYDドルフィンの「満タン」とは、当然ながらバッテリーを100%まで充電した状態を指します。この状態で理論上どれだけの距離を走行できるかについては、車両のスペックと電費(電力消費効率)から割り出すことが可能です。
スタンダードモデルのバッテリー容量は44.9kWh、ロングレンジモデルは58.56kWhであり、電費はWLTCモード基準でそれぞれ129Wh/kmと138Wh/kmとされています。
これを数式にあてはめると、スタンダードは約348km(=44.9÷0.129)、ロングレンジは約424km(=58.56÷0.138)という数値が算出できます。
では、なぜこの数値が「理論上」とされるのでしょうか。それは、実際の走行には信号待ちや坂道、急加速、気温の変化など、さまざまな要因が関与するからです。
バッテリー残量を完全に0%まで使い切ることは現実的ではなく、運転者は通常10〜15%の残量を残して充電を開始します。これらを考慮すると、実際の「実用航続距離」は理論値よりも10〜20%程度短くなるのが一般的です。
また、バッテリーの劣化や気温の低下も無視できません。特に冬季はバッテリー性能が落ちるため、満充電でも走行距離が大きく減少することがあります。
さらに、電装品の使用状況にも影響を受け、エアコンやシートヒーターなどを多用する環境では消費電力が増加します。これにより、満タンでの航続距離は理論値よりも短くなりがちです。
こうした背景を踏まえると、WLTCモードで示される400km(スタンダード)および476km(ロングレンジ)という数値は、あくまで目安であり、実際の運用にあたっては「バッテリー容量×実効電費」でより現実的な距離を予測するのが理にかなっています。
結果として、都市部中心の移動であれば公称値に近い走行が可能ですが、高速道路や寒冷地での運用にはやや余裕を見た計画が求められます。
ドルフィンの価格帯とコストパフォーマンス
BYDドルフィンは、電気自動車市場の中でも「手頃な価格」と「高い性能」を両立したモデルとして注目されています。
スタンダードモデルの価格は約299万円、ロングレンジモデルは約374万円(いずれも税込・メーカー希望小売価格)であり、この価格帯で400km超の航続距離と先進安全装備を兼ね備えたEVは決して多くありません。
価格だけでなく、装備内容や走行性能から見てもそのコストパフォーマンスは優れています。例えば、全車に先進運転支援機能(ADAS)を標準搭載し、さらに日本向けにウインカーや充電ポートの仕様も最適化されています。
ロングレンジモデルでは、ワイヤレス充電、パノラミックガラスルーフ、大出力モーターなど、上級装備も含まれます。
一般的にこのクラスのEVは、国産メーカーであっても価格が400万円を超えることが多いため、補助金を考慮すると実質300万円前後で購入できるドルフィンの価格設定は非常に魅力的です。
特にファーストカーとして検討する家庭や、毎日の通勤・送迎用途を想定している方には、初期費用と維持費の両面でメリットがあります。
また、BYDはバッテリーメーカーとしての実績があり、自社製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(ブレードバッテリー)を搭載することで、安全性と耐久性の両方を確保しています。このバッテリーには、8年または15万kmの保証が付帯しており、長期的な信頼性も高いと評価されています。
もちろん、国産車と比べた場合、アフターサポート体制の面ではまだ発展途上と感じる人もいるかもしれません。しかし、BYDは日本国内の販売網を拡大しており、2025年末までに100店舗体制を目指すと明言しています。
こうした点を総合的に見れば、ドルフィンは価格だけでなく長期的視点でも高い費用対効果を持つEVといえるでしょう。
実走行でのBYDドルフィンの航続距離はどうか

・高速道路での実用航続距離と電費データ
・季節や速度でどれほど変わるのか
・実際の充電時間と運用時のポイント
・航続距離を意識した中古車選びの注意点
・ATTO3やシールとのリアルな比較
・値引きや補助金とあわせた総合評価
高速道路での実用航続距離と電費データ
電気自動車の航続距離は、走行環境によって大きく変動します。特に高速道路では、一般道に比べて一定速度で走行する時間が長いため、一見効率的に思えるかもしれませんが、実際には電費が悪化しやすい傾向があります。
BYDドルフィンも例外ではなく、カタログ上ではスタンダードモデルで400km、ロングレンジモデルで476kmという航続距離が示されていますが、これはWLTCモード全体での平均値であり、高速道路モードに限ればさらに短くなります。
実際のデータを見ると、スタンダードモデルでは高速モードの電費は約145Wh/km、ロングレンジでは151Wh/kmとされており、これは市街地モードと比べて10〜20%程度高い数値です。
これをもとに満充電時の実用航続距離を試算すると、スタンダードは約310km、ロングレンジでもおよそ390km程度になると考えられます。つまり、高速道路だけでの長距離移動を想定する場合は、カタログ値よりも1〜2割低く見積もっておく方が現実的です。
このように電費が悪化する理由としては、高速走行中はエネルギー回生(減速時の充電)が働きにくく、風の抵抗も増えるためバッテリー消費が大きくなる点が挙げられます。
加えて、一定速度を保つクルーズコントロールの使用が多くなり、無意識にアクセルを深く踏むような場面も見逃せません。
一方で、速度を抑えた走行や急加速を避ける運転により、高速走行時の電費をある程度改善することも可能です。空調の使用を控えめにし、タイヤ空気圧を適正に保つことも、電費向上に寄与します。
さらに、サービスエリアや道の駅など、適度な間隔で充電スポットが設けられている地域であれば、必要に応じて休憩と充電を兼ねて計画的に走行できるため、長距離移動もより快適になります。
したがって、BYDドルフィンを高速道路で活用する場合は、理想と現実のギャップを理解しながら、ルートや充電タイミングを工夫することが重要です。
季節や速度でどれほど変わるのか
電気自動車の航続距離は「一定の条件下で走ればいつでも同じ距離を走れる」と思われがちですが、実際には外気温や走行速度、道路状況によって大きく変動します。BYDドルフィンも例外ではなく、季節ごとの変化や走り方によって、電費と航続距離に違いが出ます。
まず、気温の影響について見てみましょう。特に冬季は、バッテリーの化学反応が鈍化するため、充電効率や出力性能が落ちる傾向にあります。加えて、暖房を使用するためにエネルギーが多く消費されるため、スタンダードモデルでも実際には300km程度しか走れない場合もあります。
逆に夏季は、バッテリーが本来の性能を発揮しやすく、空調使用を控えめにすればカタログ値に近い距離を実現できる可能性があります。
速度の影響も見逃せません。一般的にEVは60〜80km/h程度の中速域が最も効率が良いとされています。しかし、100km/hを超える高速域になると空気抵抗が急増し、バッテリー消費量も比例して大きくなります。
このため、同じ道を走るにしても、ゆったりとした運転を心がけるだけで電費が大幅に改善されるケースも少なくありません。
また、雨天や風の強い日なども航続距離に影響を与えることがあります。路面抵抗や空気抵抗が増すため、通常よりも多くのエネルギーが必要となり、思った以上に電力を消費してしまうのです。
こう考えると、EVを効率よく活用するには、気温や天候、走行速度を意識した運転が求められます。たとえば、寒い日にはシートヒーターを使うなど、電費に優しい装備を積極的に活用することが、航続距離を延ばす工夫の一つになります。
このように、BYDドルフィンを最大限に活用するには、ただスペックを頼りにするのではなく、状況に応じた使い方を知っておくことが鍵となります。電費に優しい運転技術を身につけることで、年間を通じて安定した航続距離を確保できるようになるでしょう。
実際の充電時間と運用時のポイント
BYDドルフィンを日常的に利用する上で、充電時間はとても重要な要素です。普通充電と急速充電ではかかる時間が大きく異なるため、用途やライフスタイルに応じた使い分けが求められます。
まず、家庭用の6kW普通充電器を使用した場合、バッテリーが0%から満充電になるまでにかかる時間は、スタンダードモデルで約7.5時間、ロングレンジモデルで約9.8時間とされています。これは就寝前に充電を開始すれば、翌朝にはほぼ満充電にできる水準といえるでしょう。
一方、外出先での急速充電を想定した場合は、最大90kWの急速充電器を利用すると、約30分で30%から80%まで回復できます。ただし、バッテリーの状態や外気温、充電器の出力状況によって速度は変動します。
特に85%を超えると充電速度は急激に低下するため、時間効率を重視する場合は途中で充電を切り上げる判断も有効です。
また、日々の運用で気をつけたいのが、バッテリー残量が極端に少なくなると出力制限モードに入り、最高速度が30km/h程度に制限される点です。高速道路などでは危険を伴うため、20%以下になった時点で早めに充電を検討することが重要です。
このように、BYDドルフィンの充電時間と運用面の特徴をしっかり理解することで、より安心してEVライフを楽しめます。
航続距離を意識した中古車選びの注意点

BYDドルフィンを中古で検討する際、特に重要なのが「バッテリーの劣化状況」と「航続距離の目安」です。
新車の状態ではスタンダードで400km、ロングレンジで476km(いずれもWLTCモード)の一充電走行距離が公表されていますが、中古車は使用年数や走行距離に応じて性能が低下している可能性があります。
まず注目すべきはバッテリーの残存容量です。BYDは8年または15万kmでバッテリー容量70%を保証していますが、中古市場に出回る車両がどの程度劣化しているかは個体差があります。
販売店が提示するバッテリー診断書や、OBDツールによる診断結果があれば、必ず確認しましょう。
また、使用されていた地域の気候条件もポイントです。寒冷地での使用が多かった個体は、電費が悪化していた可能性があり、その分バッテリーへの負荷も大きかったと考えられます。さらに、充電履歴(急速充電の頻度や満充電回数)なども、バッテリー劣化の判断材料となります。
加えて、ソフトウェアアップデートの状況も確認しておくと安心です。OTA対応車であれば機能改善が行われている可能性があるため、最新バージョンへのアップデート済みかどうかを確認することが望ましいです。
このように、中古車購入時は価格の安さだけで判断せず、航続距離を中心としたバッテリーコンディションに注目することが、後悔しないEV選びにつながります。
ATTO3やシールとのリアルな比較
BYDのラインナップの中でも、ドルフィンはコンパクトEVとして位置づけられていますが、上位モデルであるATTO3やシールとの違いを明確に把握することは、購入検討時に非常に役立ちます。
まず航続距離で見ると、ATTO3はWLTCモードで470km、シールはその構造によって異なりますが最大で640km以上を誇るモデルもあり、ドルフィンよりも長距離移動に適した設計となっています。
しかし、その分ボディサイズが大きくなり、都市部での取り回しや機械式駐車場の対応力はドルフィンに軍配が上がります。全高1550mm以下に収まっている点は、都市居住者にとって非常に大きなメリットです。
また、価格面でも大きな差があります。ドルフィンのスタンダードが約299万円から購入可能であるのに対し、ATTO3は約418万円〜、シールは約528万円〜と、予算に応じた選択が求められます。
装備面では、どのモデルも先進安全機能を標準装備している点は共通ですが、シールはEVスポーツセダンとしての性能が際立っており、加速性能やインテリアの質感も上級志向です。
一方でドルフィンは、実用性とコストパフォーマンスに重きを置いた構成となっており、初めてのEVにも適しています。
このように、各モデルには明確なキャラクターの違いがあるため、使い方や生活環境に応じて適切な車種を選ぶことが、満足度の高いEVライフの第一歩となるでしょう。
値引きや補助金とあわせた総合評価
BYDドルフィンの魅力を語る上で、車両価格に対する「実質負担額」を正しく理解しておくことが欠かせません。
スタンダードモデルのメーカー希望小売価格は約299万円、ロングレンジは約374万円となっていますが、ここに各種補助金やキャンペーンによる値引きを加味すると、実際の負担額は大きく変わります。
例えば、国のCEV補助金(2025年現在最大65万円)に加えて、東京都などの自治体では独自の補助金が用意されています。これを活用すれば、実質的に200万円台前半での購入も可能となるケースがあります。
さらに、ディーラーでのキャンペーンや下取り査定の増額なども加味されることが多く、値引き交渉の余地は比較的大きいといえるでしょう。
また、維持費の安さも見逃せません。電気自動車はガソリン代が不要であり、自宅での普通充電を中心に運用すれば、100kmあたり約150〜500円の電気代で済むといった試算もあります。
加えて、自動車税が軽減される制度や車検時の点検費用が抑えられる点も、ランニングコストの低減につながります。
ただし、初期費用を抑えるために最安値だけを重視すると、グレードや装備内容で後悔する可能性もあります。予算に見合った最適なグレード選びと、補助金制度を活用した総合的な判断が大切です。
全体を通して見ると、BYDドルフィンは「高性能かつ手頃なEV」として非常に優れたコストパフォーマンスを持つ一台だといえるでしょう。
まとめ:BYDドルフィンの航続距離について
・スタンダードモデルは約400km、ロングレンジは約476kmの航続距離を持つ
・実走行では気温や運転スタイルにより航続距離が変動する
・冬場は暖房使用などで航続距離が大きく落ちる傾向がある
・スタンダードは電費効率が良く短距離用途に適している
・ロングレンジは加速性能や長距離移動に強みがある
・高速走行時は電費が悪化し航続距離が1~2割短くなることがある
・街乗りでは減速時の回生エネルギーにより効率よく走行できる
・「満タン」理論値から実用距離は10~20%短く見積もるべき
・バッテリー容量と電費のバランスが航続距離を左右する
・BYDの他車種よりも価格・サイズ・使いやすさでバランスが良い
・ドルフィンは都市部でも扱いやすいコンパクトサイズに設計されている
・バッテリー残量が少ないと出力制限モードに切り替わる仕様がある
・急速充電では30分で30〜80%まで回復が可能
・航続距離にこだわる中古購入ではバッテリー劣化状況の確認が必須
・国や自治体の補助金活用で購入コストを大幅に下げられる
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